INFINITE WORKS
体験作品のほか、質量ある作品づくりもしています。メディアアート、現代美術、オーディオ作品、小説等ジャンルレスに生と死のあわいや、現実と自己の不確かさ現した作品が多いです。テーマにあわせてオーダーメイドで制作も可能です。展示会へのお誘いなどお気軽にお問い合わせください。
私と宇宙のすべて、その違いは粒子の数と配列にある。 ここに、私を構成する60億の塩基配列を正確に記述した墓を製作した。 1つ1つのDNAをIPFSに保存後、URLをブロックチェーンに記述し ハードウェアウォレットに埋葬した。 未来、この塩基配列情報を元に故人は再生し得るかもしれない。 まるでダウンロードした音楽を再生するかのように。 はたまた交換され得るかもしれない、配信されるかもしれない。 コード化した故人に、祈りは捧げられるだろうか。 Pray me.永遠に遺る。
”つまりはこの重さなんだな。” とは、梶井基次郎「檸檬」の一節。 主人公の「私」は八百屋の檸檬を手に持ち、そう言います。 ここに在る2つの檸檬。 2つ同時に、手に持ってみてください。 ーーーその重さは、何の重さでしょうか。 「わ」と「た」と「し」が関わり「わたし」を成す以上に 光り輝く星空や、深海のプランクトンの数以上に 檸檬の油泡を潰す華やぎ、その爽やかさでしか計測できないような 生命の質量、あるいはその成立要件。 Touch me. 私に触れて。
海の中の水、葉っぱの中の葉緑体、生命の中の個人。 インターネットに遺してきた情報の足跡。 それはあっという間に彼岸に融ける。 情報の海に私は遺るだろうか。 川のように流れていく記録たち。 Find me. 私を探して。
この世の理をあらわそうと試みた曼荼羅。2021年版。
これらの写真はすべて 人工知能で自動生成したこの世には存在しない人たち。 これから無数に生まれる非存在に死の射程は届くだろうか。 存在より多くの非存在たちが、天から何かを見守っている。
専用のワイヤレスヘッドホンを使ったオーディオ作品。 ヘッドホンをつけても、つけなくても良いです。 耳を塞ぐと聞こえる音があります。 耳を塞ぐと聞こえない声があります。 静寂を開くと聞こえる音があります。 静寂を開くと聞こえない声があります。 あなたがいないと聞こえる音があります。 あなたがいないと聞こえない声があります。 今、ここにある音。 今、ここにない声。
不都合な事実の上に大衆的なトピックが塗り重ねられていく現代。 視聴覚はメディアとして不確実なものになってしまった。 代わりに、嗅覚で歴史を記述する。 人の五感で唯一長期記憶に結びつく感覚を、誰にも改竄できない形で閉じ込める。 密閉された試験管の中には3つの香りを採取した炭素棒。 「タピオカランドオープン時の甘い香り」 「あいちトリエンナーレ補助金不交付を決定した際の会議室の香り」 「2014年3月11日の晩ご飯の香り」 コルクを開栓した途端、これらの歴史は永遠に消滅します。
見渡す限り真っ白な逃げ場。汚れた箇所から白く上塗りを重ね、そのプロセスを社会と重ね、空間の美醜を問う。幾重の白が反射する空間は時間と遠近感を曖昧にし「逃げ場」を蜃気楼化していく。白という色から、逃げ場の在を問う。
死者は声から忘れられるという。 儚くも、美しい、生命の結晶を録り貯めた。 生命が美しいとしたら、それは何故か。 その答えは、既に日常に散逸していた。 私たちに命と知恵がある限り 散逸した美しさは言葉に結晶し あなたによって、再生される。
ありて、なければ
「人は死んだら植物になる」 死後の行方が量子科学により解き明かされた時代 世界と植物の関係は一変した。 植物の量子情報を解析するデバイス「RingNe」の開発者、春は青年期に母親を亡くし、不思議な夢に導かれてRingNeを開発した。植物主義とも言える世界の是非に葛藤しながら、新たな技術開発を進める。幼少期に病床で春と出会った青年、渦位は所属するDAOでフェスティバルを作りながら、突如ツユクサになって発見された妻の死の謎を追う。森林葬管理センターの職員、葵は管理する森林で発生した大火災に追われ、ある決断をする。 巡り合うはずのなかった三人の数奇な運命が絡み合い 世界は生命革命とも言える大転換を迎える。 前作「KaMiNG SINGULARITY」に続き 新たな生命観を立脚する、植物と人間の物語。